アリ研のメンバーから、アリストテレスとの出会いについて話してほしいと言われました。機会がありましたら、ゆっくりお話したいと思っていますが、今、思いつくままに述べてみます。
1982年から84年まで、私はポーランドに留学していました。
82年という年はポーランドは戒厳令の中、連帯が非合法化され、ヤルゼルスキー将軍が独裁権力を握っている、と報道されていた年でした。
2年間のポーランド滞在の日々は、私にとって、驚きの連続でした。
その中でも一番の衝撃は、マルクス、レーニンの思想的権威がポーランドではほとんど感じられなかったことでした。公式にはもちろんマルクス主義、レーニン主義の宣伝、党員の公式の場での発言はありましたが、どれもこれも生気がなく陳腐なもの、本屋には、マルクス、レーニンの全集が山と積まれていましたが、学生がそれを良く読んでいるようには思われませんでした。
マルクス主義は思想としては死んでいるように思いました。
それに比べて、カトリック関係の書物にはおおくの学生が魅かれていて、ポーランドのワルシャワ郊外にあるカトリック大学には、毎日むせ返るような学生・教員の熱気あふれる討論の場がありました。
私は、思想とはなにか、生きた、生活に根ざし思想とはなにかを改めて考え直して見よう、と思いました。日々の生活に生き、子どもたちを教育する場に生き、日々の内省の基準となり、明日を生きる生の励ましになる思想とはなにか、について考えました。マルクスはそのような問題の考察に役に立つのか。
ポーランドで多くの友人を持つことができましたが、そうした交流がまた私を考えさせました。(つづく)
荒木



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