2005年5月12日 11:26

○若葉の頃

Travelogue:No.01庵頓亭
グレイテスト・ヒッツ

 新緑のこの季節になると、『若葉の頃』The First of May(?)という懐かしのポピュラー曲が耳に蘇ります。

 確かビージーズというアメリカのグループが60-70年代(?)に流行らせたのではないかと記憶しています。

 今を去ること20数年前(1980年ころ?)、当時東京の九段にあったTOYOTAの宣伝部在籍中、初代カムリの新発売キャンペーンを担当していました。

 キャンペーンキャラクターに田中邦衛さんを起用することになり、そのイメージコンセプトは当時、邦衛さんが主演をして流行っていた倉本聰氏のTVドラマ「北の国から」をベースとした人間味溢れるオヤジの「大きなカムリ」でした。

 そのTVコマーシャル撮影立会いの為「北の国から」の舞台である北海道の富良野に出張したのですが、空路、旭川空港(今はどうか知りませんが、当時は本当に鄙びたローカルな飛行場でした)に降り立ち、スタッフの運転するワゴン車に1時間あまり揺られて、国鉄富良野駅(何線かは知りません)の何の変哲もない駅前旅館に投宿しました。

 撮影は、日の出前から準備があることから、スタッフ一同と午前3時ころ宿を出発して、これまた約1時間ほど車に揺られ、山間にある湿地帯の沼のほとりのような撮影場所に到着しました。そして、朝もやが立ち込める幻想的な湿地帯を背景にして新型車カムリをバックに、邦衛さんが登場するシーンを無事撮影したわけです。

 私の初めてのTVコマーシャルの撮影立会いが、こうして無事に終了しましたが、TVオンエアーでのバックミュージックとしても使用された「若葉の頃」が撮影現場でもスタッフの持ち込んだラジカセのフルボリュームで流されて耳に焼き付いてしまった次第です。

 時は流れて1996年、欧州駐在から帰国した翌年夏、今は亡き義母ともども、家族全員でレンタカーを走らせて北海道中央部を旅しましたが、やはりJR富良野駅の駅前旅館をもう一度この眼で確かめてみたくて、わざわざ道路地図を頼りに寄り道してみたのですが、私の記憶していた何の変哲も無い駅前旅館は、なぜか一向に見当たりませんでした。

 そして1980年当時、撮影スタッフに頼んで何とか手に入れた「若葉の頃」のドーナッツ盤(なんと懐かしいコトバ)も、その後の引越しなどの際に何かに紛れて今はもう手許にはありません。

 近頃、ほんとうにやくざで頼りなさげな私の記憶も同様に、、、

 でも不思議なことに、この季節になると例のメロディーがふっと耳に蘇ります。

 なにか、知らぬ間に失ってしまい、そしてもう二度と出会うことのできない人生で一番大切なモノ、「青春の心のざわめき」の残影をほのめかすかのように、、、、。

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