
▲ ウミイグアナ
1835年ダーウィンがガラパゴス諸島に上陸した際の、『船乗りがウミイグアナを縛って海に沈め、1時間後に引き上げたらイキイキしていた』というエピソードは有名である。その航海録が元になってか、ウミイグアナの水中潜伏時間は約60分と文献に記載されている。
「リクイグアナの方がまだウミイグアナよりハンサムだよ」旅行メンバーは、私がウミイグアナ(又は彼のポストカード)を目の前にデレデレしていると、何ともいえぬ表情をしてこう言った。非常に残念であるが、やはり大衆受けはしない。確かにその外形は、爬虫類の親玉のような風格でがっしりしている。真っ黒なボディはゴジラを彷彿とさせ、四方八方に投げ出された手足は無作法に伸び、その先には水掻き・頑丈そうな爪の付いた強そうな指がにょきりと生えている。頭部は棘状やイボ状のゴツゴツした鱗に覆われ、背中には脱皮した皮の残骸が剥けずに張り付いている。尾は長く垂れ下がり、背中には強そうな棘上突起が一列に並んでいる。そして、目は爬虫類と思えないほどにつぶらで可愛いらしい(私にだけそう見えるのだろうか・・・)。
この生物への愛着は、パーツパーツから始まる。パーツフェチと思われるかも知れぬが、その一つ一つから魚類、両生類、鳥類の特徴を垣間見ることが出来る気がする。そこが好きだ。例えば、口周りや爪付近の皮膚は、乾燥した魚の鱗に見える。足元は鳥の足に似ている。主食は海中の岩に生える海草で、剥ぎ取る為に歯はギザギザに尖りピラニアのように噛み合わせがよさそうだった。背中の棘上突起は鶏のトサカを連想させた。じっくり見れば見るほど、想像や発見は絶えない。

▲ リクイグアナ
そして最大の魅力は、これほど大きな爬虫類が海中に潜り、海中の海草を主食とすることだろう。リクイグアナは陸でサボテンを食べて楽をしているように思える。そのことは、保護色の違いにも反映されているようだ。体色について、リクイグアナは黄土色と赤茶褐色をしており、ウミイグアナは基本的に真っ黒である(ただ、中には赤黒いウミイグアナもいる)。
自分用の土産として、ガラパゴス空港周辺の売店でイグアナのゴム人形を購入した。なかなか可愛い姿をしているなぁと思ったのだが、「気色悪いからあっちにやってよ」と、帰宅後に妹からの厳しい一言が飛んだ。予想はしていたのだが・・・
当初、父の人生のトラヴェローグ仲間である中央大学O教授と同志社大学K教授の2人は、父をガラパゴスへ誘いました。そのガラパゴス行きの話を聞きつけた私は、勉強のために同行させてもらえるように父にお願いしました。私は理学部物質生物学科で生物学を学んでいる20歳の学生です。
結果、都合のつかなかった父に代り、私が参加できるようになりました。ただし、ガラパゴス行きに察して父から2つの条件が出されました。ダーウィンの『進化論~フィンチ(鳥)』に関する書物1冊を読み、それを検証してくることと、このサイトにヘタでもいいから紀行文を投稿することでした。
その約束をして2005年3月中旬、2人の先生と高校生になるO教授の姪御さん、それに私の4人で約2週間の行程で南米エクアドルにあるガラパゴス諸島を巡ってきました。そのときの思いでを何篇かに分けて投稿します。 三村 伊予

